結論

ヒューマノイド・四足歩行ロボットの導入を検討するときに、販売会社の説明や見積書、社内の会議で出てくる言葉を40語集めました。「入門」「技術」「運用・制度」の順に並べ、各語から詳しい記事へリンクしています。会議の前に分からない言葉だけを引く使い方を想定しています。

入門

フィジカルAI

AI が現実の物理世界で「見て、判断して、体を動かす」技術のまとまりです。ヒューマノイドと四足歩行ロボットが代表的な「体」です。→ フィジカルAIとは

ヒューマノイド

人型ロボットのことです。人の作業台・道具・通路をそのまま使えることを狙い、2026年時点では限定した作業を人が見守りながら行う段階です。→ ヒューマノイドロボットとは

四足歩行ロボット

4本の脚で歩くロボットで、「ロボット犬」とも呼ばれます。階段や不整地を歩けるため、巡回・点検・警備で実績が先行しています。→ 四足歩行ロボットとは

車輪付き四足歩行ロボット

脚の先に車輪を付けた四足歩行ロボットです。平坦な場所を速く長く移動でき、Unitree の Go2-W・B2-W・As2-W がこの形です。→ 四足歩行ロボットとは

AMR

Autonomous Mobile Robot の略で、自律走行の搬送ロボットです。平坦な床での定型の搬送なら、人型より安く確実な場合があります。→ 機種タイプの選び方

協働ロボット

柵で囲わずに人の近くで作業することを前提にしたロボットで、主にアーム型です。決まった位置での繰り返し作業に向きます。→ 機種タイプの選び方

PoC

Proof of Concept の略で、本導入の前に現場で効果を確かめる試験導入です。成功率・作業時間・人の介入回数など、測る項目と合格の基準を先に決めます。→ 導入ステップガイド

稟議

社内で導入の決裁を得る手続きです。本体価格だけでなく、保守・開発・安全対策・教育を含めた総額を書き、PoC で測った数字を効果の根拠にします。→ 費用・価格ガイド

標準モデル

メーカーが用意した機能の範囲で使う構成です。Unitree の G1 と H2 の標準モデルでは、自社でプログラムを書けません。→ Unitree G1

正規代理店

メーカーと契約して国内で販売・保守を行う会社です。並行輸入と比べ、保証・修理の窓口、ファームウェア更新の案内、日本語の技術サポートで差が出ます。→ 国内購入・サポート体制ガイド

技術

基盤モデル

大量のデータで学習し、さまざまな作業に応用できる AI モデルです。ロボットの動きを生み出すものはロボット基盤モデルと呼ばれます。→ ロボット基盤モデルとは

マルチモーダル基盤モデル

経済産業省の注釈では「言語に留まらず、音声・画像・動画・センサーデータ等、多様なデータを扱うことが可能となるAIモデルのこと」です。国は2026〜2030年度の開発事業を始めています。→ 日本のフィジカルAI政策まとめ

VLA モデル

Vision-Language-Action の略で、カメラの映像と言葉の指示から、ロボットの動作を直接出力する AI モデルです。ロボット基盤モデルの代表的な一種です。→ VLAモデルとは

模倣学習

人が実際に動かした例を真似させる学習です。遠隔操作で集めたデータが中心になります。→ ロボット基盤モデルとは

強化学習

試行錯誤の結果に報酬を与え、うまくいく動きを強める学習です。歩行の安定化などに使われ、シミュレーションと組み合わせることが多い方法です。→ ロボット基盤モデルとは

Sim2Real

シミュレーションで学習した動きを実機に移すことです。実機でのデータ収集の手間を減らせる一方、仮想空間と現実の差を埋める工夫が要ります。→ VLAモデルとは

テレオペ(遠隔操作)

テレオペレーションの略で、人がロボットを離れた場所から操作することです。操作中の映像と動きを記録し、模倣学習のデータにします。→ ロボット基盤モデルとは

デジタルツイン

現実の工場や店舗を仮想空間に写したものです。シミュレーションで学習用のデータを増やすのに使われます。→ KDDI×ローソンの事例

自由度(DoF)

Degrees of Freedom の略で、独立して動かせる関節の軸の数です。多いほど複雑な動きができます。Unitree G1 は23〜43(ハンドを付けた EDU 版の上限を含む)、H2 は31です。→ ヒューマノイド比較表

可搬重量

ロボットが持ち運べる重さです。歩行時と立位、腕の定格とピークを分けて公表する機種があり、どの値かを確かめます(例:Unitree B2 は歩行時40kg超、H2 Plus の腕は定格約7kg)。→ AIロボット図鑑

LiDAR

レーザーで周囲までの距離を測るセンサーです。地図づくりと障害物の回避に使います。Unitree Go2 は4D LiDAR、B2 は3D LiDAR を載せています(構成による)。→ Unitree Go2

深度カメラ

映像と一緒に、写った物までの距離も測れるカメラです。物をつかむ位置の推定などに使い、Unitree Go2 では EDU が標準で搭載しています。→ Unitree Go2

IMU

慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)の略で、傾きや加速度を測るセンサーです。脚で歩くロボットが姿勢を保つための基本の部品です。→ 四足歩行ロボットとは

SDK

Software Development Kit の略で、ロボットを自社のプログラムで動かすための開発キットです。Unitree は公式の GitHub で unitree_sdk2 を公開しています。→ Unitree の開発環境ガイド

ROS 2

ロボットのソフトウェアを部品の組み合わせで作るための、オープンソースの開発基盤です。Unitree は ROS 2 向けに unitree_ros2 を公開しています。→ Unitree の開発環境ガイド

DDS

Data Distribution Service の略で、ロボットと PC の間などでデータをやり取りする通信の仕組みです。unitree_ros2 は DDS の実装の一つ Cyclonedds をもとにしています。G1 では内部の DDS 通信に認証と暗号化が有効になっていないと研究者が報告しています。→ セキュリティ・ガバナンスガイド

EDU 版

研究・開発向けの構成で、二次開発に対応します。センサーやバッテリーが強化された機種もあり(Go2 EDU は深度カメラが標準)、Unitree の EDU 版の価格は要問い合わせです。→ 費用・価格ガイド

二次開発

メーカーが用意した機能の外で、自社でプログラムを書いてロボットを動かすことです。対応するかは機種と構成で違うので、見積もりの前に仕様表で確かめます。→ ロボット基盤モデルとは

運用・制度

IP 等級

防塵・防水の程度を表す等級で、前の数字が防塵、後ろの数字が防水の程度です。Unitree の B2 は IP67、A2 は IP56、As2 は IP54(PRO 以上)と公表されています。→ よくある質問

技適

電波法の技術基準に適合していることを示すマークです。Wi-Fi や Bluetooth を使う機器は、技適マークが付いていれば免許なしで使えます。→ 導入ステップガイド

ファームウェア

ロボット本体の中で動く基本のソフトウェアです。脆弱性の修正も更新で届くため、導入時に最新版にし、月1回点検します。→ セキュリティ・ガバナンスガイド

ネットワーク分離

ロボットを、社内の業務ネットワークとつながない専用のネットワークに置くことです。専用の無線や VLAN(仮想的に分けたネットワーク)を使います。→ セキュリティ・ガバナンスガイド

脆弱性

悪用されると機体の乗っ取りなどにつながるソフトウェアの弱点です。2025年から2026年にかけて、Unitree の複数機種で Bluetooth 経由の設定機能などの脆弱性が報告されています。→ セキュリティ・ガバナンスガイド

リスクアセスメント

作業の危険を洗い出し、大きさを評価して対策を決める手順です。厚生労働省は、リスクアセスメントで危険のおそれがなくなったと評価できれば、産業用ロボットと人の協働作業ができるとしています。→ 導入ステップガイド

産業用ロボット(労働安全衛生規則)

労働安全衛生規則の第150条の4は、産業用ロボットに触れて危険が生じるおそれがあるとき、柵や囲いを設けるよう求めています。厚生労働省は対象を定格出力80W超と説明しており、ヒューマノイドが当たるかは機種と使い方で変わります。→ 日本企業が今買えるヒューマノイド

省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金のことです。カタログ注文型にはヒューマノイドの区分がなく(2026年10月8日版)、人型・四足歩行では「IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある」設備を対象にする一般型が候補です。→ 補助金ガイド

GENIAC

経済産業省と NEDO が2024年2月から行う、生成AIの開発力強化のプロジェクトです。2026年度からはロボット基盤モデルの開発も助成しています。→ 日本のフィジカルAI政策まとめ

ISO 10218

産業用ロボットと、それを組み込んだシステムの安全を定めた国際規格です。人の近くでロボットを使うときの安全設計の土台になります。→ 導入ステップガイド(安全の確認)

ISO 13482

生活支援ロボット(パーソナルケアロボット)の安全を定めた国際規格です。人の身近で動くサービス用のロボットが関わります。→ 医療・介護での AIロボット導入

ISO/TS 15066

人とロボットが同じ空間で作業する協働ロボットの安全について、人と接触する場合の考え方を補う技術仕様書です。→ 日本企業が今買えるヒューマノイド(安全の確認点)

ISO の3つは、名称と対象の概要だけを載せています。自社の用途にどれが当てはまるか、どの版を使うかは、規格の原文と販売会社に確認してください。

次に読む

用語が分かったら、自社の作業にどのタイプが合うかを3分の導入適性診断で確かめられます。