結論
展示会・PR・社内デモでロボットを使うときは、目的を先に決め、期間が決まっているならレンタルから考えます。この記事では次の4つを判断できます。
- 目的(人を集める、技術や提案を見せる、社内の理解を広げる)に合う機種
- 購入とレンタルのどちらが合うか
- 会場で漏れやすい準備(バッテリー、通信、技適、来場者との距離、人員)
- 失敗しにくいデモ台本の組み方
標準モデルで見せられるのは、メーカーが用意した機能の範囲です。独自の動きを見せたいなら、二次開発に対応したモデルと開発の期間が要ることを、最初に押さえてください。
目的別の機種
| 目的 | 候補 | 図鑑の仕様と注意 |
|---|---|---|
| 人型の存在感で人を集める | Unitree R1・Unitree G1 | R1 は123cm・27〜29kg・稼働約1時間・4,900ドル〜。G1 は132cm・35kg・稼働約2時間・13,500ドル〜 |
| 歩き回る動きを見せる、巡回や点検を提案する | Unitree Go2 | 約15kg・AIR・PRO・X は稼働約1〜2時間・AIR 1,600ドル〜 |
| 受付・案内の場面を見せる | UBTECH Walker C1 | 164cm・55kg・受付・案内・接客向け。価格は個別見積もり(GA Robotics) |
| 研究・教育の展示 | Booster K1 | 約95cm・約19.5kg・155万5,400円〜314万8,200円(税込、スイッチサイエンス) |
| 対話やパフォーマンスを見せる | AgiBot X2 Neo | 約1.31m・約35kg・25,600ドル(公式ストア)。国内の販売会社は確認できていない |
ドル建ての価格は税・送料別のメーカー公式の表示です。R1 と G1 の違いはUnitree R1 と G1 の違い、人型の機種全体はヒューマノイド比較表で比べられます。
購入かレンタルか
展示会・イベント・社内デモのように使う期間が決まっているなら、レンタルから始めるほうが総額を抑えやすいです(費用・価格ガイド)。国内では、GMO AI&ロボティクス商事のようにレンタル・リースを案内している販売会社があります。
購入を選ぶのは、展示のあとに研究開発や業務の検証にも使う予定がある場合です。その場合は納期に気をつけます。取り寄せで2〜3か月かかると表示している販売店が複数あるため、展示会の日程から逆算して発注します。
当サイトでも Unitree 製品のレンタル・PoC の相談を受け付けています(レンタル・PoC 相談)。他社の機種は、各社の窓口に同じ条件で問い合わせてください。
会場で必要な準備
電源とバッテリー
稼働時間は、R1 が約1時間、G1 が約2時間、Go2(AIR・PRO・X)が約1〜2時間、K1 が約1時間10分(Edu・Pro、秒速1.1m で歩いた場合)とメーカーなどが公表しています。開場時間を通して動かすなら、予備バッテリーと、ブースの中で充電できる場所と電源を用意します。電源の容量と配線の取り回しは、主催者に事前に確認します。
K1 については、販売店のスイッチサイエンスが、日本の電気用品安全法に準拠した AC アダプターとバッテリーを同梱すると説明しています。海外から直接買った機体を使う場合は、付属品が日本で使えるものかを確かめます。
通信とセキュリティ
展示会場は無線が混み合いやすい場所です。スマートフォンやタブレットから無線で操作する機種は、通信が途切れたときにどう止めるかを決めておきます。会場に自前の無線機器を持ち込めるかは、主催者のルールを確認します。
来場者が多い場所では、Bluetooth の届く範囲に不特定の人がいます。Unitree の複数機種で Bluetooth 経由の設定機能の脆弱性が報告されているため、使わない Bluetooth・クラウド機能は止め、ファームウェアを最新にしてから持ち込みます(セキュリティ・ガバナンスガイド)。
技適(電波法)
Wi-Fi や Bluetooth を使う機器は、技適マーク(電波法の基準に合っていることを示すマーク)が付いていれば免許なしで使えます。付いていない無線機を使うと、電波法違反になる場合があります。総務省の検索システムでは、2026年10月16日時点で Unitree の G1 と R1 系(R1 AIR・R1・R1 EDU)に登録がありました。Go2 などほかの機種は、本体の無線部品が単体で認証を受けている場合もあるので、販売会社に確認します。
技適のない機器を試せる特例制度もありますが、対象は180日以内の実験・試験・調査に限られます。展示会のデモをこの制度で済ませられるかを自己判断せず、技適の登録が確認できる機体を使うのが安全です。
来場者との距離と床
ロボットの周りはロープや柵で区切り、来場者が手を伸ばしても届かない距離を取ります。転んだときに倒れ込む範囲も考えて、通路や展示物から離します。床のカーペットの継ぎ目、段差、配線のケーブルは、歩行が乱れる原因になるので、事前に会場の床で試します。
保険は、施設賠償責任保険や生産物賠償責任保険(PL保険)で対応する例が一般的ですが、ロボットの運用を対象にするかは契約によります。保険代理店に用途を伝えて確認します。
人員
操作する人、ロボットの周りと来場者の距離を見る人、来場者に説明する人を分けます。1人で兼ねると、説明に気を取られて安全確認が抜けます。搬入では、G1 は35kg、R1 は27〜29kg あるので、台車と運ぶ人手を用意します。
デモ台本の作り方
- 伝えたいことを1つに絞ります。 「歩く」「手を動かす」「受付をする」など、見た人が一言で話せる内容にします。
- 1回の長さを稼働時間から逆算します。 短いデモと休みを交互に組み、休みの時間に充電や交換をします。
- 標準の機能から組みます。 標準モデルは、追従・デモ動作・遠隔操作など、メーカーが用意した機能の範囲で使う前提です。
- 失敗したときの代わりを用意します。 止まったときの説明の台詞と、代わりに見せる動画を準備します。
- 本番と同じ条件でリハーサルします。 同じ床・照明・通信の条件で、少なくとも1回は通しで動かします。
社内デモでは、経営層だけでなく現場の作業者が見える場所で行います。ロボットの動きと距離の取り方を現場が自分の目で確かめることが、その後の試験導入を進める助けになります(PoC 止まりの5つの型)。
よくある失敗
- 予備バッテリーが無く、午前中で動かせなくなる
- 会場の無線が混み、操作が途切れる
- 技適の確認を後回しにして、直前に使えないと分かる
- 来場者が近づきすぎて、デモを止めることになる
- 標準モデルを買ってから、思い描いた独自の動きができないと気づく
- 取り寄せの納期を見込まず、展示会に間に合わない
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使う日程と見せたい内容が決まっていれば、レンタル・PoC 相談かデモ・実機見学から相談してください。機種がまだ決まっていない場合は、3分の導入適性診断で整理できます。


