結論

導入が PoC で止まる原因は、ロボットの性能そのものより、進め方にあることが多いです。典型は次の5つです。

  1. KPI 未設定: 何を測れば成功なのかを決めずに始め、終わった後に評価できない
  2. 現場の巻き込み不足: 本社主導で入れ、現場の作業者が「仕事を奪われる」「面倒が増える」と感じて協力しない
  3. ネットワーク未整備: 無線が届かない、社内ネットワークに直結して情報システム部門に止められる
  4. 保守の想定漏れ: 故障したときの修理の窓口・部品・期間を決めておらず、1回の故障で止まったまま
  5. 用途の過大期待: 「人の代わりに何でもできる」前提で計画し、限定した作業しかできない現実に落胆する

型ごとの回避策

KPI 未設定

PoC の前に、成功率・1回あたりの時間・停止や介入の回数・稼働時間を測ると決め、合格の基準を数字で書きます。

現場の巻き込み不足

計画の段階から現場の担当者を入れ、「ロボットに任せる作業」と「人が引き続き行う作業」を一緒に決めます。デモは現場で、作業者が見える形で行います。

ネットワーク未整備

ロボット専用の無線と分離したネットワークを、情報システム部門と一緒に設計します。これはセキュリティ対策でもあります。

保守の想定漏れ

見積もりの段階で、保証期間・修理の窓口・部品の供給・出張対応の有無を確認します。予備バッテリーと予備機の要否も決めます。

用途の過大期待

「決まった作業を、決まった場所で、人が見守りながら」が2026年時点の現実です。作業を分解し、定型の部分から任せます。

やってはいけない導入

  • 用途を決めずに、話題性だけで機種を選ぶ
  • 標準モデルを買ってから、自社でプログラムを書けないと気づく
  • 技適・労働安全・セキュリティの確認を後回しにする
  • 本体価格だけで稟議を通し、保守・開発・教育の費用で止まる
  • PoC の合格基準を後から決める

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