結論
導入が PoC で止まる原因は、ロボットの性能そのものより、進め方にあることが多いです。典型は次の5つです。
- KPI 未設定: 何を測れば成功なのかを決めずに始め、終わった後に評価できない
- 現場の巻き込み不足: 本社主導で入れ、現場の作業者が「仕事を奪われる」「面倒が増える」と感じて協力しない
- ネットワーク未整備: 無線が届かない、社内ネットワークに直結して情報システム部門に止められる
- 保守の想定漏れ: 故障したときの修理の窓口・部品・期間を決めておらず、1回の故障で止まったまま
- 用途の過大期待: 「人の代わりに何でもできる」前提で計画し、限定した作業しかできない現実に落胆する
型ごとの回避策
KPI 未設定
PoC の前に、成功率・1回あたりの時間・停止や介入の回数・稼働時間を測ると決め、合格の基準を数字で書きます。
現場の巻き込み不足
計画の段階から現場の担当者を入れ、「ロボットに任せる作業」と「人が引き続き行う作業」を一緒に決めます。デモは現場で、作業者が見える形で行います。
ネットワーク未整備
ロボット専用の無線と分離したネットワークを、情報システム部門と一緒に設計します。これはセキュリティ対策でもあります。
保守の想定漏れ
見積もりの段階で、保証期間・修理の窓口・部品の供給・出張対応の有無を確認します。予備バッテリーと予備機の要否も決めます。
用途の過大期待
「決まった作業を、決まった場所で、人が見守りながら」が2026年時点の現実です。作業を分解し、定型の部分から任せます。
やってはいけない導入
- 用途を決めずに、話題性だけで機種を選ぶ
- 標準モデルを買ってから、自社でプログラムを書けないと気づく
- 技適・労働安全・セキュリティの確認を後回しにする
- 本体価格だけで稟議を通し、保守・開発・教育の費用で止まる
- PoC の合格基準を後から決める


