結論
公式価格13,500ドルからの小型ヒューマノイド G1 が、実際に出荷しているオクラ農場で、収穫作業の一部(オクラの検出と把持)を行った事例です。開発期間は70日、実証は2026年6月から9月で、Orboh が2026年9月29日に実証レポートとして公表しました。刃で茎を切る「収穫」までは到達しておらず、把持の成功率は屋内の模擬環境の値(20回中16回)が公表されている段階です。
背景:収穫期の人手不足
果菜類の収穫は、作物ごとに形・硬さが違い、専用機を作りにくい作業です。収穫期の短期雇用が確保できず、収穫しきれない作物が出る産地もあります。
実証の内容(実証レポートより)
- 発表:2026年9月29日、株式会社Orboh(福岡県北九州市)が実証レポートとして公表。株式会社トヨタ車体研究所との共同実証
- 機種:Unitree G1。胸部に ZED-M ステレオカメラ、右手に Dex1-1 ハンドとカッター用のアタッチメント、左腕に収穫用のカゴ、背面に Jetson Orin 64GB とバッテリーを搭載(標準モデルか EDU 版かは公表なし)
- 場所:鹿児島県内の、実際に出荷しているオクラ農場。屋外の畑と屋内の模擬環境の両方で動かした
- 期間:実証は2026年6月〜9月、開発期間は70日
- 作業の流れ:検出 → 接近 → 切断把持 → カゴ収納 → 次のオクラへ移動。畝に沿って歩きながらオクラを探し、右手を伸ばして茎を挟み、左腕のカゴに入れる
- 仕組み:オクラ専用に追加学習した YOLO で検出し、ZED-M の3D点群で位置を推定。腕の動きは逆運動学で、最後の細かい位置合わせだけを Diffusion Policy が担当
- 結果:屋内の模擬環境での把持成功率は20回中16回。屋外の畑では、ランダムに生育したオクラの検出と把持を確認(屋外の成功率は公表なし)
- 到達していないこと:カッターの作り込みが期間内に終わらず、刃で茎を切って収穫するところまでは到達していない。力の制御が今後の課題とされている
導入検討企業への示唆
- 市販の小型機でも、作業を限定すれば屋外で動く。 「収穫の全工程」ではなく「検出と把持」に絞ったことが、70日で形になった理由と考えられます。
- 開発体制が鍵。 この実証で使った G1 が標準モデルか EDU 版かは公表されていませんが、G1 で二次開発に対応するのは EDU 版だけです。自社で動かすには EDU 版と開発パートナーが要ります。
- 「把持まで」と「収穫まで」は別の段階。 カッターの作り込みや力の制御など、最後の工程に時間がかかる前提で計画します。
- 環境の耐性は別に確認。 気温・雨・土埃への耐性は、公式仕様に書かれていない項目です。


